前提 — このマップの構造
01
あらゆる質感・雰囲気は 「感覚カテゴリ × 軸 × 程度」 の座標で記述できる
02
それを表現する言語ツールは主に 「形容詞」「オノマトペ」「比喩」「素材名」 の4種類
03
「洗練」「エモい」のような抽象的な印象は、複数の軸の値の 組み合わせ(束) にすぎない
04
感覚カテゴリは 4つのレイヤー に階層化される:
L1 身体感覚(五感)→ L2 知覚印象(時間・空間・感情)→ L3 文脈感覚(物語・文化・意図)→ L4 認知感覚(構造・論理)
05
L1 → L4 に向かって抽象度が上がる。普段の会話は「束」レイヤーで回っている。ズレを感じたら軸に降りて確認する
使い方:「なんかいい」と感じたら → 下の4レイヤー・10カテゴリの軸を上からスキャン → 各軸の「どっち寄り?どの程度?」を判定 → それを繋げて言語化する。クライアントとの会話では「この軸でいうとどのへん?」で認識を揃える。
読み方:各軸は ラベル:左極 ←——→ 右極 の対で構成。左右どちらかに「寄り」を判定する。形容詞は文脈で使う語彙、オノマトペはより直感的・身体的な表現。両方を組み合わせて使うと伝達精度が上がる。
質感を伝える「品詞」の整理
感覚を言語化するとき、使える品詞は限られている。この4種を意識するだけで表現力が変わる。
| 品詞 |
役割 |
例 |
| 形容詞 |
性質・状態を直接描写 |
冷たい、重厚な、鮮やかな、ざらついた |
| オノマトペ |
五感の身体的印象を圧縮 |
ふわふわ、カリッと、じんわり、ツルツル |
| 比喩・直喩 |
既知の体験に接続して伝達 |
「絹のような」「朝霧のような」「鋳物みたいな」 |
| 名詞(素材名) |
質感の参照点を一発で共有 |
リネン、コンクリート、真鍮、和紙、漆 |
4レイヤー × 10カテゴリ × 軸 × 語彙
4つの抽象度レイヤーに整理された10の感覚カテゴリ、合計52本の軸。L1が最も身体的、L4が最も抽象的。
よくある「束」パターン
抽象的な印象名は、上の軸の組み合わせで分解できる。逆に、この束から逆算してデザイン要件を言語化することもできる。
🔖マークは「普段よく使うけど中身が曖昧な束ワード」。これらを使ったら、軸に降りて分解する習慣をつける。
実践Tips
クライアントワークで使うときのコツ。
① 3軸に絞る
42軸すべてを毎回使う必要はない。プロジェクトに最も影響する3〜5軸を選び、「この3つの軸でいうと、今回のトーンはどこ?」と聞く。それだけで認識がぐっと揃う。
② 参照画像 × 軸で精度を上げる
ムードボードを見ながら「この写真は"温度"でいうと冷たい寄り、"表面"でいうとマット寄り」と言語化すると、「この雰囲気がいい」の "この" が共有される。
③ 「束」に名前をつける
プロジェクト固有の束パターンが見つかったら、チーム内でニックネームをつける。「今回は"朝の厨房"でいこう」(=冷たい+金属的+クリア+速い+密度薄い)のように。
④ ズレを発見するために使う
「洗練された感じ」と互いに言い合っていても、片方は"冷たい洗練"、もう片方は"温かい洗練"を想像していることがある。軸で確認すればズレが早期に見つかる。